2012年7月に書いたものと新たに加えたものあり。
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公開質問状
東京大学付属病院放射線科准教授、中川恵一殿
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公開質問状
東京大学付属病院放射線科准教授、中川恵一殿
竹野内真理(ジャーナリスト、翻訳家)
「 人間と環境への低レベル放射能の脅威」と「 低線量内部被曝の脅威」
「
を広島被曝医師の肥田舜太郎氏と共訳
「原発閉鎖が子供を救う」長崎大戸田清教授と共訳
肥田舜太郎著「内部被曝」ー解説執筆
以下は2012年夏に送った『被曝と発がんの真実』についての質問です。ご回答いただきたいです。
1. 現在福島子供疎開裁判で、郡山市があなたの科学的な知見を根拠とし、子どもたちが疎開しなくてよいと判断しています。今後子どもたちに健康被害が出た場合に、あなたはなんらかの責任を取るおつもりはありますか?またその場合、どのような形で責任を取ろうと考えていますか?
2. 「フクシマではがんは増えない」と公言していらっしゃいますが、実際に増えてしまった場合、あなたは学者として、どのように責任をとるご予定ですか?またはとらないご予定ですか?
3. 横浜のマンションの屋上で発見された195Bq/kgのストロンチウムがおそらく核実験由来であるという文部科学省の見解を引用して主張していますが、このような高濃度でしかも屋上で発見されたストロンチウムが、「(大気圏内)核実験由来である」と言える根拠は何ですか?数十年前に停止した核実験から、この建物の屋上までストロンチウムが蓄積するルートを科学的にご説明ください。(p21~25)
4. たとえば南相馬市で15ベクレルのプルトニウムが検出されていますが、それでも今回検出されたプルトニウムについては、量的に健康被害はないと言えるとおっしゃっていますが、その根拠を、呼吸器経由の内部被曝における場合でお示しください。(p25)
5. 近年、放射線起因の非がん性の疾病を研究する専門家が増え、チェルノブイリ事故後、多くの研究者が、心疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、免疫疾患をはじめとする様々な病気の増加を報告していますが、「中川先生が発がん以外の健康障害はないといえる」、とおっしゃる根拠は何ですか?
6. また、体制側でも「広島・長崎の研究の最高機関」とみなされている、放射線影響研究所も、広島・長崎の被爆者からがんが低線量で有意に増加していることを証明している論文が近年出していますが、中川先生が、「100ミリシーベルト以下で発がんの危険性が上昇したというデータがない」とおっしゃっているのはなぜですか?http://besobernow-yuima.blogspot.jp/2012/05/abcc-1950-radiation-research-14-1950.html
7. 米国科学アカデミーは近年、閾値なしのLNT仮説はもはや仮説ではなく、科学的事実に基づく事実であると発表しているが、中川氏がLNT仮説を、「科学的な仮説ですらなく、少しでも被曝を減らすためのポリシーである」と断言されている具体的な根拠は何ですか。(p29)
8. 100ミリシーベルトで死亡率が0.5%高まるというのは、つまり200人に1人放射線が原因のがんで死亡してしまうということになります。福島県の人口200万人が仮にこれだけ浴びると1万人が放射線が原因で死亡することになります。ところが100mSv以下の被ばくは気にすることはないと先生はおっしゃられてるわけですが、これ自体大変大きな犠牲者の数だと思いますが、先生はこの点をどう思われますか?
9. 上記の数字を年齢別にすると、どのようになりますか?小児だと確率は高まると聞いていますが、100ミリシーベルトでどのくらい死亡率が高まるかを胎児や0歳児を含めた年齢別に示してください。
10. 放射線への感受性が低い人と高い人がいるのは医学的な常識であり、旧ソ連ではリンパ球培養の検査で感受性が低い人を優先して核施設で雇用していたと聞きますし、放射線の研究で名高いBrennerも2003年の論文で、乳がん誘発の線量で、感受性の高い人を考慮した論文を書いています。先生がご著書で、感受性の高い人についてまったく言及しない理由は何ですか。
11. 老人ホームに入居中の老人が避難すると死亡率が3倍高まると書いてありますが、では老人がそのまま汚染地帯にいた時の死亡率は何倍になるのでしょうか?3倍の根拠と共にデータをお示しください。
12. 自然放射線の高い南インドケララ州の鹿児島大学による研究では、がんは増加していないと言われていますが、インドのコピチュライ博士など、増加していることを示す研究もあります。また分子生物学的な異常を示す論文も近年出ています。(Forster L, Forster P, Lutz-Bonengel S, et al. Natural radioactivity and human mitochondrial DNA mutations. Proc Natl Acad Sci U S A. 2002 Oct 15;99(21):13950-4. 世界的にも高線量地域であるケララ州(インド)でのミトコンドリアDNAの配列異常の調査(有意に高率))対立する結果を出す研究に敢えて触れないのはなぜですか。
13. 40ページ終わりから5行目に、「平均的な日本人の場合、年6.5ミリシーベルトまで被ばくしてもよいと法律が定めていることになります。」世界の中でも最も高い日本の平均4ミリシーベルトの医療被曝線量を既成事実として、それを「法律で定めている」とすり替えていらっしゃるようですが、そうではありませんか?また、日本で異様に高い医療被曝が問題である、特に未成年の医療被ばくは要注意であるを、山下俊一氏でさえ、過去の論文で述べている事実はご存知ですか?
14. 「原発作業員の方が大変心配でなりません」、とありますが、国側の放射線専門家かつ医療従事者として、原発作業員の健康を守るために、なにか具体的に勧告したり、予防医学的なこと、また発病した際に対処することなど、具体的な措置を考えたり、実行されたことはありますでしょうか?(42ページ)
15. 長い時間をかけて被ばくした場合、DNAが壊されても、修復が間に合うので影響はずっと少ないと述べていらっしゃいますが、極低線量(10mSV以下)で、低線量のため、DNA修復のためのシグナルが発信されず、そのためDNA修復がなされないという論文が2010年に出されたことをご存知ですか?またこの現象を示す専門用語、バイノミナル効果をご存知ですか?これらの実験を行ったスタンフォード大学の遺伝学者たちの研究をどう思われますか?
16. 46ページに、今はもう空気中に放射線物質は存在しないといえますが、とおっしゃっている根拠は何でしょうか?東日本のもともとの空間線量は0.03前後であり、各地でそれを大幅に上回る線量が測定されている中、このような発言は、間違っていませんか?
17. 同ページにマスクをして窓を閉めるなどの対策はある程度の効果がある、とありますが、長期にこれを行うのは無理なこと、また、マスクを着けてくれない赤ん坊が最も放射線に弱いという事実をどう考えますか?
18. 48ページの1から2行目は意味がわかりませんが、ご説明ください。
19. 放射性物質は水俣で問題となった水銀のような重金属とは違い、体内に取り込んでも代謝や排せつによって体の外に排出されます、とありますが、放射性物質は多数あり、重金属も含まれます。また、骨に溜まるストロンチウムなどは、体外にほとんど排出されません。放射性物質には重金属が多数含まれる、体外にほとんど排出されない核種があるということで、専門家として重大な勘違いをされていると思いますが、いかがですか?
20. 49ページの「1ミリシーベルトの内部被曝が1ミリシーベルトの外部被ばくより危険ということはありません」、とおっしゃる根拠を述べてください。
21. 「預託線量という概念が、内部被曝の脅威をはっきり示してくれる」と言いますが、その根拠となる計算式、およびなぜ預託線量が内部被曝の脅威をはっきり正確に示すことができるのか、ご説明ください。また、あまりマスコミに預託線量の話が出てこないのはなぜですか?また本書にもほとんどでてこないのはなぜですか?
22. カリウム40は天然放射性物質であり、人工放射性物質と違い、体内に蓄積濃縮されず、入るスピードと出るスピードが一定であると市川定夫先生が言っています。また、そのためか、毒性もセシウム137とはけた違いに違い、年間摂取限度量はセシウム137が320万分の10グラムであるのに対し、カリウム40は16グラムです。そういったカリウム40についてもともと毒性が小さいという基本的な事実をご存知でしたか?福島で検出されたセシウムよりも私たちの体内に既にあるカリウム40のほうが多いので、セシウムによる内部被曝を過剰に心配することはないというのは、上記の点から間違っていると思われますが、いかがですか?
23. チェルノブイリでセシウムによる発がんは認められていません、とありますが、バンダジェフスキー論文やその他の多くの論文で、セシウムによるガンおよびガン以外のあらゆる病変が報告されています。この報告をどう思われますか?
24. 55ページ 今の放射線量のもとで暮らしても、がんは増えないと申し上げます、とありますが、その根拠はなんですか?中川先生のアドバイスに従い、残った人々の間で実際ガンが増えた場合、学者として責任をとるおつもりはありますか?
25. 57ページ前半 理論が交錯していて意味がわかりません
26. 日本の寿命が伸びたからガンが増えたということですが、では小児ガンが増えている現象をどう説明しますか?
27. タバコの危険性について、かなり詳しく書かれています。タバコには、放射性ポロニウム210が含まれていると言いますが、この危険性についてはご存知ですか?
28. お酒に強い遺伝子と弱い遺伝子を持つ人のことが詳しく書かれてありますが、では、放射能に対して強い遺伝子と弱い遺伝子もあるのではないですか?この放射能に弱い遺伝子を持って生まれた人、放射能に対する感受性の高い人の話題が出てこないのはなぜですか・
29. 広島の被ばく線量を距離のみから見積もり、またガンマ線と中性子線のひばくのみで、内部被曝に触れないのはなぜですか?また、3.25km地点で1mSVだとする根拠を教えてください。また、同心円状以外の気象条件や雨による線量の増加、アルファ線やベータ線の内部被曝を加味した計算はされたことはあるのでしょうか?
30. 原爆投下後に広島・長崎に入った入市被ばく者の中でも、急性症状を呈して、数週間後に亡くなったケースがあることが、肥田舜太郎医師の著書『広島の消えた日』に記されています。このことから、後から入ったかどうかだけではなく、諸条件で高線量の内部被曝をした人がいると思われますが、入市による被ばくが、初期放射線と比べるとわずかです、と言い切れる根拠があるのですか?
31. 79ページに、白血病にかかった約半数と固形がんにかかった約10%が放射線起因であると考えられると書いてありますが、このような放射線起因のパーセンテージの数字の根拠となる説明と計算式をお示しください。
32. 2000年までに発病した原爆によるがんの総数は1900例とありますが、この根拠をお示しください。
33. 被ばく2世では影響は見られていない、動物実験では証明されているが、人間では影響が確認されていない、とあり、動物であってヒトではないというのは不思議だと思いますが、この原因は何だと思いますか?またチェルノブイリ事故以来の被ばく2世、3世で増えている先天性異常の報告や、遺伝的影響があるとする多くの論文についてどう思われますか?
34. WHOの国際がん研究所の調査で、Cardisらの核施設労働者の15カ国の疫学調査では、たった10mSVでガンリスクの上昇が、成人男性の間でさえ認められていますが、100mSVより低い被ばくで発言の増加は認められていないとおっしゃる理由は何ですか?
35. 82ページ、地上の汚染による被ばく線量は、爆心地の地上の汚染が、離れた場所での最大のホットスポットの線量に比べ、10分の1だったとあり、驚いています。このホットスポットは爆心地から何キロメートル地点ですか?そしてこの付近に居住または入市してきた人々に健康被害は出ていますか?出た場合は、補償はされたのでしょうか?
36. 北朝鮮の核問題が取りざたされていますが、50年代60年代に大規模な核実験を行い、地球規模の環境を汚染した米国、ロシア、英国、フランスについては、なぜ環境汚染の観点から、話題にあまり上らないのか、ご存知ですか?核実験の犯罪性はいかに大規模なものでも、時効が適用されるのでしょうか?
37. 入市被曝者の寿命が日本の平均より長いとする、根拠となる元データはどれですか?また原爆から5年間は、まったく死亡率統計が採られていないと思いますが、これが考慮されていないデータでは不完全であり、ここから結論を出すのは、非科学的だと思いませんか?
38. 広島の平均寿命が全国より高いとありますが、では原爆投下以前はどうでしたでしょう?中川保雄著『放射線被曝の歴史』で、広島は原爆投下前は、白血病が全国平均の2分の1であったと言います。こういったもともとの地域性も加味しなければ、原爆の影響は正確に測れないと思いますが、いかがですか?
39. 90ページに、チェルノブイリ事故後、過剰と言える避難が行われ、その結果、住民の余命の短縮の原因になったとありますが、どういうデータをもとにそう断定していますか?避難は数日後になってやっと行われたはずですが、その間の被ばくにより、余命が短縮された可能性が十分にあるはずですが、この重大ファクターはどうとらえていますか?
40. チェルノブイリの決死隊134人中、亡くなったのは50人、原発から30km圏内の事故処理作業者で、事故の被ばくと考えられる白血病の死亡者は80人ということですが、これらの数値の根拠は?
41. がんで増えているのは子どもの甲状腺ガンだけ、とありますが、これは少なくとも上記と矛盾しませんか?また、甲状腺ガンだけに限らず、心筋梗塞、I型糖尿病、肺がん、呼吸器系疾患、腎臓疾患など、あらゆる病気が報告されていますが、これらの報告を無視する理由は政治的なものですか
42. 国際的な合意の3団体、IAEA、UNSCEAR、ICRPはすべて原子力産業と利権が絡む団体ですが、こういった利害関係を持つ団体の合意を信頼できるものと断定する中川先生は、医療放射線機器や放射性薬剤を含む、原子力産業との利害関係はありませんか?
43. 94ページ 事故当時お母さんのおなかの中にいた子や事故の後に生まれた子に甲状腺ガンが増えなかったと言っていますが、相反する論文が数多く存在します。根拠を教えてください。
44. 98ページ 「チェルノブイリの住民に確認されている健康被害は、小児の甲状腺ガンだけです。」とありますが、甲状腺ガン以外の疾病が増えている、という論文が多数出ている中、小児の甲状腺ガンの実に限定している根拠を教えてください。また、このことは、予防医学的原則、すなわち、将来の子どもたちの健康障害を防ぐという、最も重大な目的のためには、害のある理論だと思いますが、そうは思われないでしょうか?
45. 上記の点で、チェルノブイリ支援活動を5年半行った現松本市長の菅谷医師は、著書の中で、甲状腺がんを患った子どもたちのうち、6人に1人がのちに肺がんになっている、と書いています。ガンはあたりまえのこととして、転移の可能性があること、また放射線起因の甲状腺ガンは、しばしば悪性で肺やリンパ球に転移が認められるとした論文がありますが、この点をどう考えますか。
46. 著名な放射線学者で医師でもあるジョン・ゴフマン博士も、放射性ヨウ素131を使用した甲状腺疾病の治療を、2次ガンの危険性から批判しています。放射性物質または放射線を使ったガン治療における、二次がんの危険性とベネフィットについて、どういう見解をお持ちですか。放射線治療は先生のご専門ですから、なるべく具体的にお答えください。
47. 100ページに、今回の福島事故では、ヨウ素の服用は必要なかったと書かれていますが、海外の専門家は逆の意見を述べている人が多数いらっしゃいます。根拠を福島におけるなるべく多く被ばくした子どもの甲状腺への具体的な線量値を引用しながら、具体的な説明をしてください。
48. チェルノブイリと福島の原発事故の違いを格納容器のあるなしで語っていらっしゃいますが、福島の原発の格納容器も破損し、放射性物質が放出したのは既知の事実です。このことをどう思いますか?また、チェルノブイリでは、ありとあらゆる放射性物質が飛び出したとあり、日本ではあたかもそうでないような言い方がされていますが、そうなのですか?フクシマ由来の放射性核種の国内外にあるデータを示してご説明ください。
49. 102ページに福島の子どもの甲状腺被ばく量が最大で35ミリシーベルトとありますが、3月25日時点での放射線医学総合研究所からの預託線量を計算した資料でも、50ミリシーベルトを超えています。この矛盾は何ですか?さらに「福島で甲状腺ガンが増えることはない」と断定されていますが、そうでなかった場合、中川先生は責任を取る予定はありますか?
50. チェルノブイリで50ミリシーベルト以上の高線量汚染地域に27万人、10~20ミリシーベルトの低線量汚染地域に500万人いたということですが、セシウムによる発がんは増加していないと強弁されています。この根拠は何ですか?
51. 2011年3月23日、東京の金町浄水場から100/kgを超える水が検出されたが、赤ん坊がその水を1トンまでだったら飲んでも平気と書いてあります。100Bq×1000kg=10万ベクレルの放射性ヨウ素を体内に赤ん坊が入れても大丈夫ということですが、にわかに信じられない数値です。大丈夫である、根拠を具体的な数値や過去のデータをもとに示してください。(103ページ)
52. 107ページに1994年、ウクライナやベラルーシの平均寿命が事故前と比べ、7年も短くなった事実を提示しながら、その原因を「精神的に悲嘆にくれ、生きることへの気持ちが弱くなったからだ」と断定していますが、死亡原因と言うのは、いろいろあると考えられる中、原因をこの理由にだけにできる根拠は何ですか。また、仮にストレス起因だとして、増えた疾病の種類を列記してください。これらの疾病は、100%ストレス起因と言い切る自信はありますか?
53. ロシア政府が2011年に出した報告書で、過剰な避難により、原発事故の影響が何倍も大きくなったとあるそうですが、避難により、健康障害が軽くすんだというケースもあるのではないですか?どのようにして、避難による影響について結論されましたか?またこの結論は、原子力推進の政治的思惑に左右されている可能性がありませんか?
54. 同報告書で、精神的ストレスが、被ばくそのものよりも大きな損害をもたらしたことが明らかになったとありますが、精神的ストレスを定量化して、被ばくそのものよりも大きな損害が出たと断じるのは、科学的にほぼ不可能な作業ではないかと思いますが、どうですか?
55. 10ミリシーベルトの被ばくによる平均寿命の短縮は4,5日とありますが、この数値の根拠となる計算式と説明をいただけますか?(110ページ)
56. ウクライナやベラルーシで寿命が7年短縮されながらも、被ばくによる短縮はほとんどなかったと言える理由は何ですか?(110ページ)
57. 飛行機事故を怖がっていると、かえって事故で死亡するリスクが高まることがあります、とありますが、とても非科学的な発想だと思いますが、いかがですか?(111ページ)
58. 2011年11月15日の「低線量被ばくの影響と対策に関する政府の作業部会の第2回会合」についてお尋ねします。
59. 年間5ミリシーベルト基準は政治的に厳格な基準にされてしまったと言いますが、年間1ミリシーベルト基準を主張した旧ソ連の学者も何人かいたのだが、5ミリよりさらにゆるい基準を原発推進側の学者が提示し、妥協して5ミリにしたと聞いています。このエピソードによれば、政治的にゆるい基準をあてはめられたのではないですか?5ミリシーベルトが厳格と言える根拠は何ですか。本当は国際基準の1ミリシーベルトを採用すべきではないのですか
60. 116ページに、ロシア政府の報告書で「この25年で、リクビダートル(19万人強)のうち、原因はどうあれ死亡したのは4万人である。死亡原因で最大のものは、慢性虎血性心疾患(1763例)であり、重度のがん疾患では、気管支および肺の悪性腫瘍(485例)が最も多かった」とあります。実際にこれだけの被害がありながら、心疾患と肺の悪性腫瘍と被ばくの関係をまったく言及していないことは、ある意味非常に非科学的だと思いますが、いかがですか?
61. 2007年11月20日付国連総会決議「チェルノブイリ事故の影響の研究、軽減、最小化の問題に関する国際協力並びに活動調整の強化」というものがあることを初めて知りました。影響の軽減、最小化のために国際的に行われていることは具体的に何ですか?また福島でもこのようなことが行われる予定があるのでしょうか?現在は、福島に人々を戻すことや、治療をしない健康調査などで、どうも研究にばかり重点が置かれていると評価する人が多いですが、この点はいかがですか?
62. ロシア連邦目的プログラム「2015年までの期間における放射能事故の影響克服」と呼ばれるものの中に、「放射能の影響が表れるリスクが最も高い者(リスクグループ)への医療支援」とありますが、具体的にどのような内容かご存知ですか?
63. 124ページに、ICRPがイギリスの非営利団体NPOであると書いてありますが、各国や原子力産業から資金援助を受けているので、違うのではないですか?
64. 125ページにUNSCEARが独立性と客観性が保たれていて、特定の国の力やイデオロギーには左右されません、と書かれてありますが、国連自体が原子力を推進しています。独立性が保たれているとは言えないのではないですか?
65. UNSCEARの疫学的には、100ミリシーベルト以下の放射線の影響は認められない、といった報告ですが、WHOが2005年に原発労働者15カ国の調査で、10ミリシーベルトでもガンリスクの増加を結論付けています。これをどう解釈しますか?
66. 原子力を推進し、下部組織に原子力推進機関でもあるIAEAをもつ国連の出したデータに基づいた放射線被曝のリスクに関するポリシーを出しているICRPのポリシーはそれだけ見ても政治的ではないですか?
67. 126ページからのICRPの成り立ちを含むICRPのご説明について。中川恵一先生は、中川保雄著『放射線被曝の歴史』というICRPの歴史を米国公文書からち密に調べ上げ、背景や裏情報も非常に詳細に精緻に書かれた書物を読まれたことがありますか?
68. 「ある程度の放射線被曝を正当化しようとする」原子力関係者がICRPに加わったとありますが、もちろんICRPには、反原子力の人は委員になることができません。これ自体、ICRPの性格を政治的に偏ったものにし、中川先生が言われているような非営利ではなく、営利団体とさせている根拠になるのではないですか?
69. IAEAがWHOと協力し、放射線防護基準などを提示しています。とありますが、ヨーロッパで、WHOがIAEAにコントロールされ、独立性が保たれていないことに反対する運動があることをご存知ですか?元WHO顧問のM。Fernex博士も先日来日し、この点を非常に憂慮されていました。
70. ECRRの主張を過激なものとし、科学的根拠に欠ける、と断定できる根拠をお示しください。
71. 129ページのクリストファー・バズビー氏が高額なサプリメントの販売に関与しているという噂は、真実ではありません。(本人に確かめました)この文は、謝罪修正しない場合は、バズビー氏に対する名誉棄損であるとも言えますが、どう考えますか?
72. 130ページ、20ミリシーベルトの被ばくに関しては、海外の学者からも批判がありますが、どう思われますか?
73. 131ページ、ICRPレポート111号について、セシウムの体内摂取の減衰がグラフになっておりますが、これとバンダジェフスキー論文の20Bq/kgで心筋に異常が出るという理論を組み合わせると、大人は2年以内、子どもだと3カ月以内に危険域に達してしまいますが、どう思われますか?
74. 140ページ、「土地を離れるかどうかの判断は、年齢と言う要素にもある程度左右されるのです」、と小さい子供や若者を気遣う文が初めて出てきています。この部分は将来の世代を守るために、非常に大事なところですから、もっと強調すべきではないですか?
75. 同ページ最後、日本国民の判断にゆだねられている、というのは、無責任極まりないのではないですか?小さい子供がいて避難したくても、経済的またはその他の家庭の事情で避難できない人がたくさんいます。原子力は国が推進し、国の責任で事故を起こしたのですから、国がそういうひとを補償し、チェルノブイリのように避難する選択を実行する権利を与えるべきではないですか?
76. 142ページ、2011年10月現在で発電所の敷地境界の放射線量は最大で年間0.2ミリシーベルトです、とありますが、この数字は間違いではないですか?
77. 143ページ、原発事故自体の終息はまだですが、新たに大気中に放出される放射性物質はほとんどありません、とありますが、これも間違いではないですか?
78. 同ページ 大気中にも水道水にも放射性物質はほぼないといってよい状態です、とありますが、これも間違いではないですか?
79. 同ページ、 もちろん私も普通に水道水を飲んでいます、とありますが、どこの水道水ですか?この文ですと、福島の汚染地帯の水も、飲んでよいように聞こえますが、これはまずい表現ではないですか?
80. 同ページ、飯館村、浪江町、川俣町の住民の外部被ばくがおおよそ15ミリシーベルト以下なので、発がんのリスクはほとんどないとありますが、なぜ外部被ばくだけで計算されているのですか?内部被曝の生涯における預託線量を出してください。(先生が同著の中で預託線量がわかれば内部被曝の脅威が分かるとおっしゃっているように)そして生涯で少なくとも何ミリシーベルトになるのか、お答えください。
81. 144ページ、ヨウ素は半減期8日で、もうこの世から消えてしまったと言いますが、その後、ヨウ素は幾度か検出されています。間違いではないですか?
82. 146ページ 原発近隣の住民が飯館村に多く避難し、結果として避難した先でより高い放射性物質にさらされた可能性が生じてしまいました、と書きながら、「その時の被ばく量はわずかで、がんができるようなレベルではないことを、確認しておきたいと思います。」と書かれています。この根拠は何ですか?
83. 中川先生が金科玉条とされているICRPの予測でも、今後50年間で、200km圏内のガンの過剰発生数は6000人と見積もられています。なぜ先生が信頼しているICRPの数値でも6000人と出ているのに、「福島でがんはひとりも増えない」と全く違うことを中川先生は主張されているのですか?
84. 原発労働者の労災では、過去に5ミリシーベルトの被ばくでも白血病の労災を得ています。148ページ、外部被ばくだけでも5ミリシーベルトを超える住民がいる中、住民の中には、放射能に対する感受性が高い者もいる可能性がある中で、健康へのリスクを心配する必要はまずないと言えるのはなぜですか
85. 149ページで、子どもを対象にした調査で、甲状腺の被ばく量測定で、最大で35ミリシーベルトとあります。2011年3月25日の放射線医学総合研究所から出たレポートですと、これより高い数値ですが、先生の35ミリシーベルトは間違いではないですか?
86. 体制側の報告でも、子どもは大人に比べ、数倍感受性が高い中、先生が「福島で小児甲状腺がんが増えることはない」と断言される理由は何ですか?また、実際にこの言葉を信じ、福島に居続けた子どもの中で、甲状腺ガンが過剰に発生した場合、先生はなんらかの責任や補償をする準備はありますかありませんか
87. 149ページ、福島県民4463人の内部被曝検査の結果、最大数値で3ミリシーベルトだったとあります。これは上にある35ミリシーベルトと矛盾していませんか?
88. また、3ミリシーベルトはホールボディーカウンタを使った数値ですか?ホールボディーであると、アルファ線とベータ線しか計測できず、内部被曝の最も恐ろしいのは、このアルファ線、ベータ線であり、残念ながら、現在の技術では、この2種の放射線の体内における線量を計測することはできません。この基本的な科学的事実を中川先生は、当然ご存じのはずですが、故意に無視していらっしゃいますか?そのうえで、福島県民の内部被曝最大値を3ミリシーベルトということは、刑法で言うところの偽証罪や詐欺罪に当たりませんか?
89. 151ページ、東大病院で医師や原子力工学、理論物理、医学物理(保健物理の間違いでしょうか?)の専門家とチームを組んで放射線治療に当たっており、これらのメンバーとともに、福島に定期的に足を運んでいるそうですが、このメンバーを教えていただけますか?このメンバーに、放射線の影響の生物学的影響により専門性が近い、放射線分子生物学者や遺伝学者、免疫学者が入っていないのはなぜですか?
90. 福島に派遣されたチームの方々が妊婦や赤ちゃんの相談も受けたようですが、妊婦や赤ちゃんの相談に乗るのは産婦人科の方の仕事だと思います。どうしてチームの中に産婦人科の医者がその中に入っていなかったのですか?そして、そうした人々に、「妊婦さんや赤ちゃんは避難することも一つの判断ですが、むしろ、総合的に見て避難した先でストレスを抱えながら暮らすほうが、心配です」と、総合的な判断を独自にされていますが、これは何を根拠にしていますか?この選択をして、今後放射線被ばくによる健康の実害が生じた時、なにかの形で責任をとる覚悟はありますか?
91. 高齢者の発がんリスクは高くなく、多くの場合、10~20年と長くかかり、高齢者にとって生活環境が大きく変わってしまうことはストレスになるので、老人ホームを無理に動かさないほうがよいという考え方を示していますが、では、そこで働いている若い女性はどうですか?(福島の知人からそういう責任感の強い若い女性が高汚染地帯に居続けて働いているという話を聞いています)老人ホームの場所を動かさないなら、働く人も、ある程度の年配の人にするよう交代する必要がないですか?
92. 154~155ページに、住民からのもっともな声が書かれています。「除染に何億も使うより、移転のための費用にしたほうがいいのではないだろうか」「なぜ、子どもだけでももっと早く避難させなかったのだろう。」「飯館は大部分が山ばかりのところ。除染できないんじゃないだろうか」これらの声を聞いて、中川先生は具体的になにをされたか、また今後何かやられる予定はありますか?
93. 156ページ、国や行政がモニタリングポストの周囲を除染してから計測しているという話を、福島で市民活動をしているひとから聞きました。このようなことはないでしょうか?
94. 157ページ、セシウムが地面から下に進む速さは年間1cmとあります。つまり、せっかく地表からなくなっていっても、その場所で、農業をしたら野菜が根からセシウムを吸い上げます。チェルノブイリでもこのために、事故から年数がたっても地元住民の内部被曝が低くならず、健康の被害が増え続けていると言います。汚染地帯では農業をやめさせ、現地住民を守ると共に、汚染農産物を全国に流通させないようにして、人々の健康を守るべきではないでしょうか?
95. 157ページ 放射線防護の観点から、児童や生徒のケアはことに重要で、除染もこうした場所から優先的に行われるべきです、とありますが、なぜ避難を不完全な除染より優先させないのですか?除染ビジネスの利権の話がよく聞かれますが、中川先生はこの点をどう思われますか?
96. 160ページ、「哲学的な命題が、生活上の課題になったと言えるでしょう」と書いていますが、哲学的な命題とは、どういうことですか?私は今回の原発事故及び、放射能汚染は、そのような抽象的なものではなく、利権の絡んだ原発推進の政治家、学者、企業、官僚が起こした、壮大な社会問題(または犯罪)だととらえていますが、いかがですか?
97. 160ページ、「ただでさえ不安な気持ちを抱えている住民に対し、危機感をあおるような報道者発言はその判断を惑わせる要因となり、決して許されるものではありません」と中川先生は書いていらっしゃいます。私は以下のように思います。「ただでさえ分かりにくい放射能問題で、リスクがほとんどないといったような学者の発言は、住民の判断を惑わせる要因となり、将来健康の実害が生じる可能性があることを考えると、決して許されるものではありません」多くの子供を持つお母さんたちがこのように考えています。間違っていますでしょうか?
98. 外に布団を干しても大丈夫である、それでも気になる人は、布団にカバーをかけて、取り込む時、カバーを振るだけで放射性物質は払い落せます、とありますが、払い落された放射性物質を吸わないように、マスクをつける、家の中に放射性物質が入らないように、その際には窓を閉める、などの注意点も併記する必要があるのではないですか?
99. 65ページ、中川先生は高汚染食品を山菜に限ってしかリストせず、生体濃縮が激しい魚介類はリストしていませんが、なぜですか?国や県が基準値を超えたものは発表するので、こうした情報がない時は、規制値を下回っていると考えてよいでしょう、とありますが、先日、NHKで魚介類は鮮度を保つため、測定値が出るのは、すでにその魚介類を市場に出荷してからだと報道していました。この点をどう思われますか?
100. 過去に、中川先生は、ヨウ素の実に絞って、魚介類は大丈夫と早々に宣言され、その後、魚介類から基準値越えのコウナゴが出てきました。この時の間違いを謝罪しましたか?中川氏「魚は安全」動画http://www.youtube.com/watch?v=R5gHts8iKA4「海の魚は海藻などを食べて、もともとヨウ素を体内に持っているので、ヨウ素を体内に取り込みにくい。これが淡水魚と違うところです。チェルノブイリのときは淡水魚が問題になったんですが、今回はそういうことはありません。だから食べても問題ありません。」【解説】結局コウナゴからヨウ素が検出されて大騒ぎになった。またこの時点でセシウムなども問題となることを予見できるはずなのに、ヨウ素だけを取り上げて安全宣言している。
101. 167ページに、子どもは大人に比べ、放射性ヨウ素を摂取した場合の甲状腺に対する影響が成人に比べ、10倍ほど高くなる、とありますが、本書のほとんど終りに近い部分で、大事な数値が初めて出ております。(最後まで読み切らない読者に誤解が招かれるのが心配です!)この10倍という数値を、きちんと、子どもを守りたいお母さんたちのために、本書の初めのほうから引用し、シーベルトの数値が出てくるところには、子どもの場合の線量として、カッコ付で併記する必要があるのではないですか?
102. 100ベクレルという規制値で、内部被曝の観点を考慮しても、安心してよいとする、根拠は何ですか?具体的にお示しください。海外の科学者でこの数値が高すぎると指摘する人々がいます。(バンダジェフスキー博士など)これらの人々への反論も具体的な数値、および動物または人体におけるセシウム摂取による健康影響について、臨床や解剖のデータに基づいて、100ベクレルという数値を出しているのかどうかもお聞かせください。
103. 福島の7人の母乳から2~13ベクレル/リットル検出されたが、その特定方法の正確性が疑わしいことと、「母子ともに影響はないともうしあげていいでしょう」と主張されています。正確性が疑わしいなら、なぜ再検査されようとしないのですか?また、そのうえで、結果の正確性もわからないうちから、母子ともに影響はないというのは、非科学的ではないですか?
104. 同176ページ、ここでもカリウム4000ベクレルの話をしていますが、Q23をご覧いただき、訂正を要請します。
105. 177ページ、広島、長崎の調査からも子孫の世代に被ばくの影響が遺伝した例はありません、と断言できる理由は何ですか?すなわち、遺伝障害は、放射線の影響でなくともある程度は出てしまうわけで、広島長崎において、それが放射線起因であるかどうかは、誰にもわからないはずです。例えば、広島の場合、白血病の発病率は原爆投下前には、全国の半分でした。(中川保雄著『放射線被曝の歴史』より)仮に2倍になっても、そういうところでは、全国と比べると差が出ないはずです。そういった地域のもとからある特異性みたいなものも、統計的に考慮されているのでしょうか?
106. また、爆心地からの近距離の被爆者と、内部被曝している遠距離の被ばく者と比較するという統計方法が、間違っていると、多くの独立系科学者が主張していますが、この点は統計の考慮に入れていますか?
107. 20ミリシーベルト以下なら、放射能を浴びても妊娠しにくくならないという根拠は何ですか?広島、長崎でも原爆投下直後に妊娠しようとした人はほとんどいなかったはずです。また、そのような実験や研究は行われていないと思いますが、具体的な根拠は何ですか?また近年における不妊に悩む人の増加は、医学者として、何が原因と思われますか?核時代の到来により、環境中に高まった放射線の影響はまったくないとは言えないのではないですか?
108. 178ページに、「広島、長崎の調査や、原発従業員、医師や放射線技師に関する被ばくデータからも、年間100ミリシーベルトより少ない被ばくで発がんリスクが上昇したことは確認されていません」ということですが、被曝労働者の白血病の労災認定では年間5mSVでも認められています。また今まで労災認定が下りた労働者で、100mSV以下の人は複数いらっしゃいます。この事実をどうとらえていますか?
109. 181ページに西日本のほうが自然界から受ける放射線の量が多いので、西日本に逃げるのはナンセンスとありますが、西日本の自然放射線は、土壌や岩石からくる外部放射線であり、原発から放出された放射性物質で汚染された東日本の放射線とは種類が違います。この違いをなぜいっしょくたにしてしまうのですか?
110. 東日本で鼻血や下痢、せきなどの症状が出ていた人が、西日本や九州に避難してから止まったという話を多く聞きます。さらに、避難を止めて、東日本に戻ったら、再び具合が悪くなったという話も聞きます。肥田舜太郎先生は、各地でそのような相談を、実際に健康を害された人から多数受けられています。医学で臨床は非常に大事だと思いますが、中川先生はこういった方々の臨床データを集めようとされましたか?それと、3.11後、具合が悪くなったという人を何人くらい診られたご経験をお持ちですか?
111. 被ばくの専門家として、もちろん、臨床経験もあると思うのですが、3.11前に、被ばく患者を診たご経験は何人くらい、おありですか?すなわち、先生の場合は、放射線治療を施すことで、副作用の被ばくによる二次がんができてしまった患者さんが多くいらっしゃると思うのですが、その患者数は全体数のうちの何人か、そして二次ガンのできてしまった患者さんたちの5年生存率を教えてください。
112. 182ページ、空間線量が毎時5マイクロシーベルトでも、個人の被ばく線量はその10分の1にとどまる、とありますが、どうしてですか?具体的に数値を使ってご説明ください。
113. 3200Bq/kgの牛肉200グラム食べても、0.01ミリシーベルトの被ばくにしかならない、とありますが、この根拠となる計算式をご提示ください。それから、年齢別にはどうなるかも教えてください。(この牛肉は給食でも使われてしまったため)食品安全委員会の委員として、このような高汚染の牛肉が出回ってしまったことに謝罪はされたのですか?それとも1回くらい食べても大丈夫という理論で、基準値越えをしても気にされないのですか?
114. 除染の押し付け合いが起きないような仕組み作りが急がれ、その意味で東京都が被災地のがれきを受け入れたのは素晴らしいとありますが、除染の際に押し付け合いが起きないように、放射能に汚染された土やモノは、隔離するのが一番良いとは思いませんか?東京都ががれきを受け入れ、大気中に放射線の微粒子を燃焼によって拡散するのは、環境をさらに放射能汚染させ、焼却炉周辺住民に呼吸からの内部被曝を促進しとんでもない政策である、と、多くの市民団体や海外の学者も指摘していますが、この点はどう思いますか?
115. 185ページ なぜ健康被害ではなく、風評被害ばかり心配されるのですか?福島の農家の皆さんを本当に心配されるならば、なぜ手厚い補償をし、彼らが汚染されてない場所で農作業ができるように、政府に学者としての勧告を出さないのですか?(この遠隔地での農地移転は、農家の方が少しでも被ばくを避けること、そして風評被害によって売れなくなった福島の農作物を買いたたかれることなく、新天地で安全な野菜を適正価格で売れるようにすることの2つの目的があります)
116. 187ページに放射性物質は重金属と異なり、排せつや代謝によって外部に排出されます、とありますが、放射性物質の中には重金属もあり、実際に検出されています。ですから、放射性物質は、放射能毒性と重金属毒性の混合したものと、先日他界された有名な低線量放射線専門家、ロザリー・バーテル女史も主張されていました。この点はどう思いますか?
117. また代謝の遅い心臓などでは、バンダジェフスキーの言うように、セシウムが体内濃度の10倍も心臓に溜まり、体内のセシウムが10~20Bq/kgであっても、心臓に異常をきたすことを、臨床や解剖で突きとめています。この点について反論できるデータはお持ちですか?